常駐代表ご挨拶

令和7年9月19日


 

    2年に一度、閣僚レベルで国連環境計画(UNEP)の活動方針を議論するUNEAの第7回会合(UNEA7)が本年12月初旬にここナイロビで開かれます。UNEA7まで3か月弱となりました。気候変動、生物多様性の損失、汚染問題を始めとして、国連の場で各国が歩調を合わせる必要のある環境問題は複雑さと深刻さを加えています。その一方で、米国を始め各国の環境政策変更があり、歩調を合わせることの難しさも高まっています。環境問題への政治的コミットメントとそれを行動に移すための方針について、世界の意識を再び一つにしなければなりません。この冬の2大環境国際会議である、UNEA7と国連気候変動枠組条約COP30を上手に使っていく必要があります。UNEPのアンダーセン事務局長ともこの認識で一致しています。

    UNハビタットのロスバッハ事務局長は、日本の都市における土地利用政策・法制や防災・減災などの災害対策に非常に注目しています。本年5月のハビタット総会で採択した新戦略の目玉に据えられた「非公式住居(スラム街)対策」を進める上で、大いに知見を取り入れたいとの観点からです。このため8月にはTICAD9に参加し、岩屋外務大臣、浅尾環境大臣を含め、日本の関係者との関係強化を進めました。今後の協力に弾みが付くものと期待されます。

    国連ナイロビ本部では、ニューヨークやジュネーブから組織の一部を移動させる国連各機関を受け入れるスペースを作るため、施設の拡大を急ピッチで進めています。仮住まいを余儀なくされている部局には不便なことですが、拡張工事の槌音には何かしら活気と未来へのエネルギーを感じさせるものがあります。

    ジャクソン常駐調整官を長とする、国連開発機関グループ(ユニセフ、ユネスコ、UNDPなど)とも緊密な関係を築き、開発政策面での協調や日本の資金で実施するプロジェクトの円滑かつ効果的な実施を確保しています。
 
    日本は本年後半、すなわち7月1日から年末まで、国連ナイロビ本部におけるアジア太平洋グループの議長を務めています。UNEP(UNEA7)やUNハビタットを中心に、本グループに属する22国連加盟国内の意見や立場を調整し、グループを代表して発言したり交渉したりする仕事です。この仕事を通じ、国連全体の意思統一に少しでも貢献していきたいと願っています。
 

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